2012年12月25日

コミックマーケット83 新刊等告知

さてさて。
なんだかんだで結局告知が遅くなってしまったのですが――冬コミの新刊。
先日入稿をして、すでに自宅分納分は納品がされておりますゆえ、よほどのアクシデントがない限り当日会場でスペース(1日目東2ホール R37b)に並べられると思います。

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【東都恋唄2 ―夕焼け即興劇(エチュード)―】
■pixivお試し版■

 都電荒川線が路面を走る、東京は北区・王子の街。
 とある夕暮れ、中学生の深沢 妙子は荒川線の窓から町並みを眺めつつ、唇に沈んだ溜息を紡いでいた。
 部長をつとめる中学校の演劇部――文化祭の3日前のリハーサルで、妙子は急に台詞が出てこなくなって、舞台をひどい有様にしてしまったのだ。
 一緒に乗っている副部長の緒方 ひかるが気を使って声をかけてくれるが、妙子の気持は晴れないまま。けれどもともかく、王子駅で降りて乗り換えていくひかるにまで心配をかけてはいけないと、すこし無理やりに笑みを浮かべてみせる。
 JRの高架下をくぐり、王子駅前停留所のホームに滑りこむ電車。
 じゃあまた明日、と、妙子はひかるの背中を見送って――
 しかし。

「あ、じゃあね、ひか――る――? わ、わあああ!?」
 横顔にかけた妙子の別れの言葉は、途中で驚きの悲鳴に変わった。
 ひかるの、手が。
 こちらに背を向けたままのばされたひかるの手が妙子の手首を握り、思い切り引っ張ったからだ。
「ちょ、ちょ、ひかる、ひゃ! わ、」
 つられて電車の外に歩みだした妙子。それでもひかるの手は力を緩めてくれず、目を白黒させたまま妙子はひっぱられていく。
 4、5歩を行ったところでようやくひかるは立ち止まり、その背中にぶつかった妙子は、もぎゅ、とへんてこな声をあげてしまった。
 よろけていたこともあって、半ばひかるにおぶさりかかるような姿勢。
 身体を離しつつあわてて後ろを振り返ると、幸い降りる人たちの邪魔にはならずにすんだものの、やはり誰もが行き過ぎざまに「なんだこの子たち……?」という目でこちらを見やっている。妙子の頬には一瞬熱が爆ぜた。
 その向こうで、ゆっくりと電車のドアが閉じる。
「……っ、ひ――ひかるっ、何するのよいきなりっ」
 うわずった声で発した抗議に、ひかるは振り向かない。背中を向けたまま、ぎゅっと妙子の腕を握って。
「ねえ! ――ひか 」
「――だいじょうぶなんかじゃないって笑いかたしてた、妙子」
 ぽつりと、ちいさく。
 けれどもはっきりとした声が、夕暮れの駅のざわめきの中で妙子の耳に届く。
「――え――」
 凍りついた妙子を、振り返ったひかるのまなざしが見すえる。
 濃いめの眉をしかめて、唇を引き結んで。
 怒っているような、けれども泣き出しそうなはりつめた表情が友人の顔に浮かんでいるのを、妙子は見た。

 王子駅を舞台に、演劇部の少女たちの友情と、友情を少し踏み越えた想いの交差を描くセンチメンタル短編。「東京風景×女子中学生×女子中学生」テーマの連作短編「東都恋唄」シリーズの第2話です。(A5・26ページ・頒布価格100円)

※独立した短編になっているので、第1話をご覧になっていなくてもお読みいただけます。


第1巻「東都恋唄1 ―橋の上の遊戯―」は、自家製本版で頒布を行ってきたのですが、第2巻の発行に併せてオフセット版を刊行します。


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【東都恋唄1 ―橋の上の遊戯―】
■pixivお試し版■

「――私とひとつ、賭けをしないか? 栞里(しおり)」
 何の前触れもなく、東条 香流(とうじょう かおる)は――香流先輩は唐突にそう切り出した。
「……え? ……」
 吉村 栞里(よしむら しおり)は、きょとんとした声をあげて立ちどまる。
 夏の陽に照らされた、アスファルトの路地。壁向こうの湯島(ゆしま)聖堂の樹々からは、蝉の声が幾重にもわたって響いている。
 中学校からの、いつもの帰り路。
 JR御茶の水駅の近くにある学校から、浅草橋(あさくさばし)駅向こうの自宅まで――たまたま家が近所の先輩と栞里は都合があえば、秋葉原を挟んでのさほど遠くない二駅を歩いて帰るのが常だ。
 ルートは、そのときどきの気まぐれでだいたい先輩が決める。
 この近辺では旧外堀でもある神田川と、南岸を走るJR総武線の線路。その南側にある坂道を下ることもあれば、橋を渡ってすこし高台になった北側の道を歩くこともある。
 今日はちょうど、神田川の北側――川に沿って走る通りの歩道を歩いていたところだった。
「賭け……ですか?」
 少したどたどしく眼鏡を指でただしながら、ぼんやりと栞里はたずねる。
「ああ」
 返ってきたのは、涼しげなその一声だけだ。
 困惑したまま、栞里は先輩の顔を見る。
 凛然(りんぜん)という言葉がよく似合う、整った目鼻立ち。短い髪も相まって、男の子のようにも見え――それでいて、セーラーの夏服姿も様になる先輩だ。
 唇に笑みを浮かべたまま、先輩はそれ以上言葉を続けるつもりはないらしく。生じた沈黙に、蝉たちの声がやけにはっきりと聞こえてくる。


 御茶ノ水〜秋葉原間の聖橋の上を舞台にした、クール系の先輩と後輩眼鏡さんのとある「賭け」のお話です。


既刊ももちろん、ありったけ並べる予定。
一冊も例外なく、女子中学生ヒロインものになっております。


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【川と夕陽とたい焼きと】200円
■pixivお試し版■
■創作文芸見本誌会場 HappyReadingお試し版■

 崎谷町と新田川を隔てる、カミソリ堤防。
 その堤防の上を通学の近道にしていた仁藤 早苗はある夕方、その上で一人の少年に出会う。
 行き違える幅はない堤防。あちらを立てればこちらが立たず。どちらが諦めて譲ってすごすご引き返すかの、一対一の勝負の行方は――
 町工場が軒を連ねる町を舞台に、はねっ返り気味の三つ編みおさげ眼鏡の女子中学生少女が、ケンカしたりいろいろやきもきしたりする、一昔前の学生ドラマみたいな雰囲気のお話です。



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【ゆずな歳時記1〜3】1巻:300円 2・3巻:400円
■pixivお試し版■
■創作文芸見本誌会場 HappyReadingお試し版■

旧い石垣と水路が緑に映える城下町、御蔵橋。
和風喫茶店の一人娘・若木 ゆずなは、中学校からの帰り路、お城の石垣の上から舞い落ちてきた一枚の栞を拾う。
落とし主を探そうと登った石段の先、彼女を待っていた出会いとは――

 旧い城下町の四季を背景にのんびりペースで繰り広げられる、少年少女ほのぼの初恋群像劇。ちょっと懐かしめのラブコメ風味と、古都の空気を感じていただければ嬉しいです。


(ここから下は、18禁作品になっております)



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【ふら×2 ちえみと晶の平面(フラット)の事情】300円
■pixivお試し版■
■創作文芸見本誌会場 HappyReadingお試し版■

 平野ちえみは、中学2年生。学校で今年もプールの時期がやってきて、なかなか大人になってくれない自分の身体にやきもきする日々。
友人で、ちょっとだけ友人以上の間の関係にある石狩 晶と放課後に公園で触れ合いの時間を過ごしていたちえみは、いつものキスのあとで、晶から思いもかけない告白を受ける。

 ナイムネコンプレックスをかかえたおっとり少女と、友人のボクっ娘とのあいだの甘々百合えっちを描いた中編。

「……ちえみっ」
 みみたぶに唇が触れそうな至近距離から、晶ちゃんは熱っぽく震える声でささやいた。
「ボク……ちえみの、もっと、からだぜんぶ……ボクのものにしたい。ちえみと、えっちなことして、きもちよくなりたいよ……」


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【おねえちゃんのいぬ】200円
■pixivお試し版■
■創作文芸見本誌会場 HappyReadingお試し版■

中学生の水谷 宮奈は、姉の水谷 綾――母親の再婚によって同居することになった高等部の水谷先輩に、ずっと憧れの気持ちを抱いてきた。両親が家を留守にしたある日の夜、宮奈は姉を想って自らを慰めているところを、彼女に目撃されてしまい――
 お姉ちゃん好き好き大好きな女子中学生が、おっとり清楚可憐ながら実はSっ気のある姉に、両親が留守の夜にいろいろいたされて仕込まれちゃうソフトSM18禁小説です。

 「ぁ! ぅぁ、ぁあ……!」
 温かみと、肌に塗りつけられていく唾液のぬめりけ。
 気持ちよさによじらせた背中を、お姉ちゃんの腕がぎゅっと抱きしめてくる。
「あは……みやちゃんの汗、おいしい……」
 舌と唇で、宮奈の首を存分に濡らしたあとで――綾は宮奈の頬に、ちゅっ……と音をたてて口づけをした。
「ぁ――ふ、」
 のぼせた息をあげてへたりこんだ宮奈の頭を、そっと手のひらで撫でて。正面から、綾は宮奈に微笑を向ける。
「……ふたりでいっぱいいっぱい、べとべとにきたなくなろうね、みやちゃん」

ほかにも、全年齢&R18の女子中学生ヒロイン作品をスペースの許す限り頒布の予定。
懐中天幕、1日目東2ホール R37bにてお待ちしております!
posted by つむぎゆう at 00:00| Comment(0) | 即売会参加情報/レポート
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